発病―夏休み―
混乱のまま、私は夏休みを迎えた。
「どうしよう」という不安感はずっと続いていた。
自分のおかしさは病気なのだということは知らずに
未だ自分の力でどうにかしようと頑張っていた。
可愛い服を着て、当時流行っていた厚底サンダルを履いて
買い物に行った。少しでも気分が晴れたらいいな、と思いな
がら。お金の使い方もおかしくなっていた。不安を解消する
為に、欲しくもないものを次々に買い込んだ。何でもいいから
心を落ち着かせる方法を探っていた。
買い込んだからといって、不安は解消されなかったが。
今思うと、何でこんなものを・・と思うような必要のない
ものをやたらに買い込んでいた。
夏休みは楽しいものなのに、どうにもならない不安で
私は混乱していた。夏の青空は、私には眩しく映らなかった。
見える景色が違った。私は違う世界にいるようだった。
何もしていないのに激しい疲労感に襲われる。
寝ても寝ても疲れはとれない。これを病気だと気付くことは
当時の私にはできなかった。知識もないし、今のように
メンタルに関してマスコミが大きく取り上げることは少なかっ
たから、私は自分のおかしさをどのようにすれば解決できる
のかがわからなかった。まあ、報道されていても私が気付か
なかっただけなのかもしれないが。
症状は教室の外でも現れていた。通りすがりの女子高生が
高らかに笑っているのを、私に対して笑っているのだと思った。
私は笑われている。そして悪口を言われている・・。
いつもなら楽しいはずの夏休みが、怖い世界に包まれた
夏休みとなった。
今までには体験したことのない世界だった。
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