症状との闘い1
入学した高校では特進コースというのに所属していた。
つまり、受験のためのコースである。入学したときから
受験に対する教育がなされていた。
新しい友達。新しい先生。新しい環境に慣れるために
みんながドキドキした感じだった。そんな中で私は
またもや感覚の危機を迎えていた。
学校まで1時間半かかるため、朝は早い。
早朝の電車に乗ると、手が痺れてきて足ががくがくした。
目の前が真っ暗になる(心、ではなく実際に)。
何度も電車の中で過呼吸発作を起こしそうになった。
けれども、「ここで倒れたら終わりだ」「絶対ダメ!!!」
と自分に言い聞かせ、なんとかギリギリのところで耐えた。
そして電車内で強い視線を感じ、冷や汗をかいていた。
駅のホームに立つと「飛び込め」と頭の中で言われる。
私はそれと必死に闘っていた。「飛び込まない!!」
と自分の中で言い返すことを繰り返した。あと少しで本当
にその指令通りに飛び込むところだった。ギリギリのとこ
ろで飛び込まずにいた。この闘いは薬を飲むまで消えな
かった。また、教室でも監視されている感じは消えなか
った。例えるならば、教室がハイジャックされているよう
な感じなのだ。私は今にも殺されるのではないか、とい
う恐怖。一瞬でも気を抜いたらダメだ、という危機感。
急に朝のHRで叫びたくなったが、「ダメ!!!」と私を
必死に抑えて、こらえた。陽性症状が出ていたのだろう。
頭の中はぐちゃぐちゃで、ずっと何か会話が繰り返されて
いた。それが邪魔で私は考えることができない。
言葉の意味もわからなくなった。友達に「おはよう~!」
と言われて、意味がわからなくて、固まってしまった。
本当に、意味がわからなかったのだ。状況を説明すると
友達が近づいてくる→私に喋りかけてきた→その言葉
は「おはよう」→「おはよう」の意味は→朝の挨拶→
私はこれに答えなければならない
ということをいちいち考えなければわからなかった。
授業中も言葉を理解することができなくて困った。
先生に指名された私は、
私が指名された→私はそれに答えなければならない
→その質問は~である→その答えはええと・・
という具合である。普通ならば一瞬でこれらのことが
考えられるのに、できなかった。その場は、私が質問
に答えられなかったという風に捉えられて終わった。
混乱していた。そして不安感でいっぱいだった。
と書くと穏やかに思えるが、実際のその「不安感」
は生ぬるいものじゃなかった。今この一瞬が不安で
たまらない。一秒たりとも心が休まるときはない。
どうしたらいいのかわからなかった。私が誰だかも
わからなかった。名前や住所は言える。しかし、
私は一体どういう性格でどんな人間なのかというこ
とが、わからない。自分が誰だかわからないというの
は恐ろしいことだった。脳の奥が痛いという感覚も
あった。脳が萎縮するような感じだった。
こんな状態で勉強ができず、しかも進学校である
高校にいた為に、私の成績は最悪だった。
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