卒業
私は私立の進学校に合格した。
勉強なんかとてもできる状態ではなかったし、成績も
落ちていたが、なんとか入試を終えることができた。
行きたい公立高校があったのだが、成績が落ちてい
た為に合格は無理だろうということになり、受験
しなかった。
「中学校は嫌な場所」という思いを持ちながら、
私は中学校を卒業した。しかし、今になって思い
返せば、症状が出る前は部活がとても楽しく、嫌なこと
だけではなかった。楽しいこともたくさんあったのだ。
その思い出に浸ることはなく、ただ逃げるような思いで
私は卒業した。友達もみんな嫌な人、と思い、連絡を
絶ってしまった。私に対する悪口が、実際にあったのか
どうか、ということは私にはわからない。同窓会にも
誘ってくれたし、卒業後に遊びに誘われたりもした。
卒業のときには手紙をもらい、「別の高校に行っても
頑張ってね」などという言葉が書かれていた。
友達が私に対して攻撃的であったり非難をあびせたり
するようなことは、
なかったのかもしれない。
今、客観的に見ると、そうなのかもしれない。
私の心には、中学校は嫌な場所、と刻まれていて
友達もみんな意地悪で・・・。事実は私にはわからない。
ただ記憶に残るのは怖くて嫌な世界だったということ。
中学校の卒業を機に、私は中学生活の記憶を封印する
ことにした。新しい私で高校生活を過ごそう、と思った。
友達づきあいも徹底して絞り、同じ高校に行く友達以外
の中学の友達とは、連絡を自分からは一切取らなかった。
そうでもしないと、不安に押しつぶされてしまいそうだった。
怖い世界を全て忘れてしまいたかった。今まで起こった全
ての怖い出来事を、白紙にしたかったのだ。
15歳の春だった。
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