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2007年10月13日 (土)

発病―症状―

症状は私の自信をも奪っていった。

委員会の委員長をしていた私は、体育館の壇上で発表すること

になった。こういうとき私は、緊張はするけれど、自分でその

緊張をコントロールして、きちんと発表できるのだった。

しかし、それが、全くできなかった。コントロールが効かない。

なんとか原稿を読みきったものの、声が震えてしまった。

「いつもの私じゃない」と思い、ショックだった。

そして私はいつも先生に監視されている状態だった。

どこにいても、先生は私を監視している。

HRでの話しは全て私への当てつけだと思っていた。

教室ではずっと監視されているから、一刻も早く逃げ

出したい、と思った。今すぐに教室を飛び出したか

ったけれど、ギリギリのところで耐えた。とにかく不安

で仕方がなかった。当時は自転車で学校に通ってい

たのだが、すれ違う車の運転手が私のことを見てい

る。どこに行っても私は誰かに監視されている状態

だった。

当時は「酒鬼薔薇事件」が世間をにぎわせていた。

中学生が殺人(しかも惨殺な形で)をするという衝撃

的な事件だった。そのとき私は、「私も誰かを殺すかもしれ

ない」と思った。この少年と同じことを、私はやってしまうか

もしれない、と思った。私は先生に監視されている。そして

先生は私を攻撃しようとしている。だから先生を殺さなけ

れば、私が殺られる、という危機感を持っていた。

実際に行動には移さなかった。これはすごく良かったと

思っている。私の頭の中では「殺す」「殺せ」という考え

がぐるぐる回っていて、止められなかった。頭が勝手に

考えていくのだ。思考が止まらない。声が聞こえる、という

よりは、頭の中に響いている、という表現がぴったりと

くる。一瞬でも考えることからは解放されない。ずっと考え

させられているのだ。自分がおかしくなっていくのが怖か

った。監視されているから、ずっと緊張した状態だった。

体が硬直していた。友達もおかしく思ったのだろう、

「熱を測っているみたい」と言われた。腕をぎゅっと体につけ

て固まっていたからだ。そして人が怖くなった。

「いつもニコニコしているね」というのが私のチャームポイン

トだったが、笑えなくなっていった。怖くて仕方がなかった。

こういった症状は強く出ており、当時の私にはどうすること

もできなかった。クラスで悪口を言われている(と思っていた

)ことを親に話すこともできなかった。そんな自分を認めたく

なかったのだ。私は友達とは上手くやっていける、と信じて

いたからそれを崩すことは嫌だった。当時の担任と友達

の何人かには私のおかしさを「友達関係の悩み」として

相談した。自分のおかしさを、認めたくなかった。これは

私の悩みからくるものなんだ、と信じていた。精神世界に

は無知な中学生だったから、病気だなんて知らなかった。

自分の力でなんとかできるものだと思っていた。

気分が沈んだときに、自分を立て直すような方法で解決

できるものだと思っていた。何度も気持ちを立て直そうと

したけれど、全然ダメだった。唯一、当時の私ができたこと

は「書き留めること」だった。とにかく、書いておこう、と思っ

た。書いておけば、後で何かしらわかるかもしれないと思っ

たのだ。だから日記のように私はぐちゃぐちゃな考えを書

いていた。書いたものは今も残っている。中学生の私が

必死に書きとめた「おかしさ」は私が子供だったからではな

いのだとわかった。確かに考え方や言葉遣いは中学生だ

ったけれど、症状は確実に出ていた。

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